私のアイロニカルな研究・・・3つの何かでできている‘やきもの法則’

やきものの楽しみ方は3つ
やきものの楽しみ方は主に三つあると考える。それは「作って楽しむ、使って楽しむ、調べて楽しむ」である。
作ることができる人は、使うことも同時に楽しむことができる。使って楽しむことには、見て楽しんだり、収集(コレクション)することも入る。私はやきもの用のガス窯を作るという立場であるから、間接的に「やきもの」に関わっている。だから「調べて楽しむ派」と言ってよい。
なぜこんなことを始めたのか
あるとき、自分の周りを見渡してみると、ナゼか3つで何かを言い表していることが多いなあ、と感じたのです。
私には妙に気になってしまい、見つけたものをメモするようになりました。
集まるにつれ、どんどんノートのページ数は増えていくので、今度は分類してみることにしました。
するとどうやらいくつかのパターンに分けられるのではないかと予想しました。
それがこの3つのパターン、デルタ型、スター型、A,A’,B型です。
①デルタ型は3つ挙げた内容・事象などがそれぞれ重要で1つが欠けても成り立たない場合をいうものです。
3つで1つが成立するといってよいでしょう。

例えば、やきものでは「一焼き、二土、三細工」という言葉があります。
やきものの見どころを端的に言い表しているもので古くから使われています。
②スター型は3つ挙げた内容・事象がそれぞれ独立している場合です。

例えば、日本3大○○など№1,2,3のようなもので、主観も含めて規模の大小を順序だてて物事を表現した場合です。
やきものでは「一楽、二萩、三唐津」があります。茶陶の順位を示すことばです。これは規模の大小をいうものではないので「一萩、二楽、三唐津」という場合もあります。
③A,A’,B型は3つ挙げたモノのうち、2つは共通点があるが3番目は少し異質なパターンです。
例えば、釉薬の媒溶原料は植物界、鉱物界、化学薬品から得る。この場合2つは自然界からで1つは工業製品である。2つには自然界からという共通点があり、もう一つは人工物である。
また、昔話金太郎のしもべたち、イヌ、サル、キジ。けもの二匹に、トリ一羽というパターン。この組み合わせが「A,A‘,B型」である。
このA,A‘,B型は何かを選ぶ場合や提案にも多い。Aは一押し、A’はその変形、Bは目先を変えた内容である。
この「B」を入れることで選択や提案にある種、深みが出るという効果がある。
さらにこのA,A’,B型はデルタ型やスター型にも内包されていることがある。A,A’,B型は奥が深い。
人は全体像や大枠を示されることで理解が促進されるといわれています。
全体像や大枠を3つの言葉や文章で端的に表現すれば、覚えやすいし実行しやすい。
具体的な説明や内容が細部に入ってくると、今全体の中のどこにいるのか分からなくなることもある。
だから、とにかく最初に3つの内容で全体像をつかめば、漏れもなくダブりもなくわかりやすい。
全体像を大きく3つで理解して、細部に至ることで迷いなく理解が進むと確信しています。
ということで、その最初の3つが分かれば半分以上終わったようなもの。
さらにその3つがどういう形を成しているのかが分かれば、その後の考え方の目安になると思うのです。
そこで得意分野である‘やきものの世界’を見てみると、その3つがなんと多いことか。
それらをアルバムに集めて、分析、分類することが今の私にとって楽しい作業となっている。
こんなことをしても何の役にも立たないかもしれない。だがやってみたいのだ、一種の‘アイロニカルな没入!’