三原料組合せ調合

三原料組合せ調合は、陶芸の釉薬をつくるうえでの基本的な考え方になっている。
三原料とは、長石、土灰、わら灰の組合せ、それが最も一般的でわかりやすい。
専門的になるとKNaO,CaO,ROといった科学用語で表現する場合もある。
私は作陶家ではないので、実際に釉薬を作って、焼いてみる、というような作業は行ったことはない。
特にやる必要もないと思っている。
それよりもどういったもので釉薬ができているとか、その役割とかは知らないと、話についていけないので一通りわかるようにしている。

私は日曜日、料理を作ることが多い。
パスタ、カルボナーラである。
なぜかこれが大好きで、非常によく作る。
当初はうまくできなかった。
しかし、あることに気が付いてからブレイクスルーし美味くできるようになった。
しかも短時間に。
これに気が付くのに1年以上かかった。
理由は料理本やネットを見ない、持っていないこと、経験したことしか信用しない「経験的実証主義者」の要素が高いことが影響している。
それはいいとして、そのあることとは、三原料組合せ調合の料理への応用である。

前述のように、三原料とは、長石、土灰、わら灰の組合せ。
長石は「出発原料」といい出発原料にはほかに陶石やペタライトがある。
土灰は「媒溶原料」といい長石を溶かすためで、木灰や石灰などがある。
わら灰は「珪酸質原料」といい、釉薬ややきものの骨格を作るための原料である。
わら灰と同じ役割のものは珪石でわら灰の成分は珪酸質である。
これらの原料を三角形の座標で表し重量比で調合していく。

カルボナーラのソースの材料は、玉子、粉チーズ、ベーコンまたは豚肉、黒コショウ、塩である。

やきものも料理もどこか似ている気がしてならない。

聞いたところ本場イタリアでは使わないということで「生クリーム」は不使用だ。
これらを適量混ぜてソースを作り、茹でた麵を一気に投入すると、どうなるか?
玉子が固まる!
これには散々悩まされた。
たまたま見たテレビ番組でイタリア人は、あっという間に作ってしまう。
だが同じことをすると、玉子が固まる。
なぜだ!
玉子は熱で固まるから、熱い麵を入れれば当然のことだが、冷やしてから入れたのでは美味くない。

問題はチョットした言葉から解決することが多い。
あるとき、料理家は材料の熱の通りやすさを考えながら料理を作る、ということを聞いた。
「熱の通りやすさ」ということばにピンときた。
やきものと同じだ!
ならば釉薬か?
玉子が熱で固まるのだから、固まらなくしてあげればよいのではないか?
熱をかけても固まらないもの、一つしかない、油だ。
イタリアンだからオリーブオイル。
これをソースに入れてみた、おおさじ2杯。
予想は的中!
玉子は固まらず、しかもクリーミー。
麵を茹でている間にソースを作り、熱いまま投入するから10分ほどで完成!

やきものも料理もどこか似ている気がしてならない。

これからは「三原料組合せ調合」発見の旅に出ようと思う。

参考文献:陶芸の釉薬、陶芸の土と窯焼き、大西政太郎、

三原料組合せ調合

お問い合わせ

営業時間:AM 8:30~PM17:30 (定休日 土日・祝日)

お問い合わせ

製品の詳細、購入方法、オーダーについてのご質問・ご要望なども受け付けております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。

営業時間:AM 8:30~PM17:30 (定休日 土日・祝日)