ピラミッドとガス窯

2023年3月2日、夜、エジプト世界最大のピラミッドで、186年ぶりに未知の空間を発見、というニュースが流れた。
この時この186という数字に驚きを感じた。
この数字はクフ王のピラミッド斜辺の長さとほぼ同じなのである。
正確には186.5m。
クフ王のピラミッドは約4500年前につくられた。

ピラミッドとガス窯


現在は底面の1辺が230mの正四角錐で、高さは139mである。
建設当時の大きさは、底辺が230.4m、高さ146.7m、底辺中心部からの斜辺の長さは186.5mということである。風化などによって高さ139mになっている。
ピラミッドはご存じの通り立方体に切り出された石材を一段一段人の手で積み上げたものである。
その石材は一つ平均で約2.5tとされ、230万個使用されていると推定される。表面は階段状でその総数は203段である。

さて、ここからは窯とレンガの話。
ガス窯に限らず窯をつくるときレンガは一つ一つ手で積み上げる。
大きさこそ違うが、ピラミッドの作り方とある種共通している。
さらに、レンガや耐火物の大きさ、組み合わせ方にもピラミッドと共通する数字が出てくる。
レンガのサイズはJIS規格で決まっており、並レンガと呼ばれる最も基本的なものは、230×114×65(㎜)である。
もう一つ、ガス窯をつくる際に使用する耐火物には、シリカでできたボード(シリカボード)がある。
その大きさは600×300×25tや50t(tは厚さ)のものがあり、多くは25t品で、窯の外側、いわゆるバックアップ用に使う。
ガス窯はこれらのレンガやボードを組み合わせて作っていく。

組み合わせ方には下記のようなものがある。
最もうすい炉壁の作り方は、レンガ114+ボード25で139㎜(組み合わせ方①)
次に、114+65でレンガ179㎜にレンガ間にモルタルが2㎜程度入るので181㎜(組み合わせ方②)。
さらに、114+65+25+モルタル2㎜で206㎜(カタログでは205㎜と呼んでいる、組み合わせ方③)。
高さは、65㎜を高さとして使う場合は、3段積むと65×3+2×3=201㎜となる(組み合わせ方④)。
窯のレンガ段数を数えて3で割って201㎜を掛ければ、巻尺を使わなくてもおおよその高さが割り出せる。

ここで、両社に似たような数字を拾い出してみると。
クフ王のピラミッド底面の長さ230mとレンガの長手の寸法230㎜でこれはちょうどである。
現在の高さ139mと組み合わせ方①の139㎜
斜辺の長さ186.5mと組み合わせ方②の181㎜
総段数203段と組み合わせ方③と④の206㎜と201㎜、という具合である。
単位がメートルとミリであるから1,000倍の違いこそあれ、数字としては非常に似ている。
②、③、④は多少違っているが、3%以内であれば誤差と考えてよい。
②の誤差は2.94%(181÷186.5×100=97.05%)
③の誤差は1.45%
④の誤差は0.98%となりすべて3%以内である。

以上のことから、エジプト最大クフ王のピラミッドと、ガス窯、レンガの関係には共通点が多いということがわかる。

なぜこのように共通点が多いのか?

そもそもピラミッドとガス窯の共通点を考える有識者はいないであろうから、当然文献は存在しないと思われるので、私の考えを率直に述べたい。

それは、「人が手で作った」ということだ。

人が手でつくったものや手で使うものには数字の共通点が多い。
例えば、トイレットペーパー。
トイレットペーパーの幅は114㎜でレンガと同じ。
ドットプリンター用帳票241×114㎜
葉巻の長さ114㎜など

手作りされるものは、手の大きさがもとになって、小さなものから大きなものまでできている、そんな気がしてならない。

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