パレートの法則とやきもの(1)温度の場合

パレートの法則というのをご存じだろうか。別名「80対20の法則」ともいわれるものである。
この法則は実に多くのシーンで出現してくる。
ビジネスシーンではあてはまる例は枚挙にいとまがない。

例えば以下のようなものがあります。
「通常、売り上げ(または利益)の80%をもたらすのは20%の製品、または20%の顧客である」
原因、投入、努力のごく一部(20%)が結果、産出、報酬のかなりの部分(80%)をもたらすという法
則です。
やきものを言い表した言葉に「一焼、二土、三細工」があるが、同時にこれは、やきものの見どころを
ランク付けしたものともいえます。作り手側からみても、作陶プロセスの最終段階で、これによって作
品の良し悪しが決まるので最も重要視されます。

それではその「一焼」においてさらに重要と思われるところはどこかを考えてみましょう。
一般的なやきものの焼成温度は1250℃です。これはゼーゲルコーンの#8が溶倒する温度が1250℃とい
うことであって、必ずしも温度計の表示と一致するものではありません。ここでは細かい説明はさてお
いて1250という数字からパレートの法則を当てはめて考えてみます。
化学反応がより活発化するのは1000℃を超えてからといわれています。やきものでは950(または
970)℃以降、ほぼ1,000℃より上の温度から焼き上げまでを「セメ」といいます。

セメは焼成の3つの段階である「あぶり、セメ、冷まし」で最も重要視される温度帯です。
通常、焼成の過程で1,000~1,250℃の250度がセメということになります。
つまり焼成温度である1250℃のうちの20%の最終250度が他の1,000℃までの温度帯よりも重要という
ことです。やきもの作品の良し悪しは最終温度帯の20%で決まる、と言っても過言ではないでしょう。
パレートの法則をやきもの創りに当てはめて考えると「やきもの作品の出来栄えの80%は、セメの温度
帯20%で決まる」と言えるのではないでしょうか。

窯でやきものを焼くということは、あらゆる不確定要素との戦いともいえます。
焼成過程において、どこに集中すれば最大限の結果が出るのか、全体の中から不規則なヒントを見つけ
るために「パレートの法則」は思いのほか役に立つかもしれない。

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